令和の通信制高校の実態とは?全然「人生終わり」「進学・就職に不利」じゃなかった!実際の状況をわかりやすく解説

令和の通信制高校の実態とは?全然「人生終わり」「進学・就職に不利」じゃなかった!実際の状況をわかりやすく解説

オンライン授業などを活用し、いつでもどこでも自分のペースで学ぶことができる通信制高校。現在、通信制高校に通う生徒数は増加傾向で、2024年度には29万87人となり、高校生の約11人に1人が通信制高校に通っている計算で、これは過去最高人数です。全日制と同じ「高校卒業資格」が取得できるのに、「人生終わり」「進学・就職に不利」と言われる理由はなぜなのか?通信制高校を選択肢のひとつとして考えていいのか?この記事では、令和の通信制高校の実際の状況をわかりやすく解説していきます。

通信制高校は「人生終わり」「進路・就職に不利」と言われる理由は?

通信制高校で学ぶことが「人生終わり」「進路・就職に不利」と言われる理由は、“なんらかの理由で全日制高校に行けない人や苦学生が多い”という過去のイメージが先行しているからでしょう。令和の現代では、オンライン学習の普及などにより、状況は大きく変わってきています。マイナスのイメージを持つ理由はなぜなのか、また、実際はどうなのかを一つひとつ見ていきましょう。

理由① 全日制高校に通うことが一般的と思われているから

中学校卒業後は、全日制高校に行くのが一般的という思い込みにより、通信制高校などその他の選択肢にマイナスのイメージを持たれている可能性があります。

しかし、冒頭でお伝えした通り、現在高校生の約11人に1人が通信制高校に通っています。想像よりかなり多いのではないでしょうか? 近年は通信制高校への進学者が増えており、30年間で通信制高校の生徒数は約90%近く増加しています。一方、全日制高校の生徒数は約40%減少しています。

通信制高校の生徒数が増加している要因としては、多様な背景や価値観を持つ人々を受け入れ尊重する多様性を重視する時代になったことや、オンライン学習の普及などがあげられます。文部科学省でも「⾼等学校における教育の質確保・多様性への対応に関する調査研究」などが行われており、専門分野に特化したコースやキャリアプランニングに力を入れた学校など、特色のある通信制高校が増加し、実際に2020年から2024年の5年間で、通信制高校の学校数自体も約15%増えています。対して、全日制高校の学校数は約10%減少。

出典:文部科学省「⾼等学校における教育の質確保・多様性への対応に関する調査研究」

今後も通信制高校進学者の割合は増加傾向が見込まれており、通信制高校で学ぶことが「一般的」になる時代が、もうすぐ訪れるのではないでしょうか。まずは「通信制高校について正しく知る」ことが大切です。

理由② 大学進学など卒業後の将来が不利になると思われているから

通信制高校は、いまだに進学・就職に不利という偏見が残っているものの、それは事実ではありません。実際には、通信制高校卒業生の70%近くが進学・就職をしています。

大学進学を目指す場合、全日制高校に比べて大学進学率が低い傾向にあることは事実ですが、その理由は、通信制は全日制より専門分野に特化した学校が多く、卒業後の進路として、専門学校や養成所、就職を選ぶ人も多いためです。通信制は進路が多彩なことが特徴で、就職率は、全日制よりも圧倒的に高い傾向にあります。

なお、大学や専門学校の入学審査において、通信制高校卒業生が不利になるというのも噂であり、誤解に基づいています。入学審査で全日制高校の卒業生と比べて不利になることはありません。通信制高校の高校卒業資格は正式な資格であり、学力試験の点数で合否が判断されるため、出身校によって評価が変わることはありません。逆に、専門的なことを学ぶ大学の学科や専門学校に進学する場合は、通信制高校の3年間で身につけたスキル・知識・経験が、有利に働きます。

通信制高校で学べる専門分野の一例

・イラスト、アニメ
・eスポーツ
・美容、ファッション
・ダンス
・芸能・音楽・声優

好きなこと・やりたいことを学びながら高校卒業資格の取得を目指せるのは、通信制高校の特徴であり魅力です。高校卒業資格があれば、進学も就職も、進路は大きく広がっています。

大学進学だけでなく、若くしてプロになるなど様々な活躍ができます!
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理由③ 思い描く学校生活と違うから

平日毎日登校する全日制高校の学校生活が一般的であり、それとは違う通信制高校はなんとなくよくないのではと、明確な理由もなく、マイナスのイメージを持たれている可能性があります。

実際は、通信制高校と言っても、オンライン学習がメインの学校だけでなく、登校して対面での授業を受けることがメインの学校などもあり、個人の希望や特性に合わせて自分に合った学校生活を選択できます。通信制高校には公立と私立があり、また、専門分野に特化したコースやキャリアプランニングに力を入れた学校などがあり、非常に多岐に渡ります。登校日数は学校や専攻するコースなどにより大きく差があり、専門分野を学ぶ学校などは、技術実習のために登校日数が多い傾向にあります。

専門分野を学びたいという人は、毎日登校や週3〜4回登校するスタイルが向いていますし、働きながら高卒資格取得を目指す人、スポーツや芸能活動など学業以外の活動に専念したい人など、時間の確保が難しい場合は、オンライン学習がメインで年に数回登校するスタイルや、週1〜2回登校するスタイルが向いています。

パソコンやタブレットでの学習も一般的になり、世間の認識はどんどん変わってきています。令和の今、通信制高校は、自由度の高い学習環境で、好きなことを学べる場所として、注目を集めています。時代に合った学習方法は、今後ますます一般的になっていくでしょう。

理由④ 悪いイメージを持たれると思っている

“なんらかの理由で全日制高校に行けない人や苦学生が多い”という過去の「悪いイメージ」を持っている人が一定数いる可能性があります。

しかし実際には、10代や20代の若い人ほど通信制高校に対して「よいイメージ」を持っているという割合が多いです。通信制に通っている人へのイメージも「やりたいことに時間を使っている」「自分のペースで通えそう」など、メリットがある程度認知されています。実際に通信制高校への進学者が増加傾向にあることからも、「よいイメージ」を持つ人の割合は年々上昇しており、悪いイメージは減少していくと思われます。

悪いイメージを持っているのは親世代なのかもしれません。世代に関わらず、通信制高校について認知されるよう、当サイトでも正しい情報を発信していきたいと思います。

通信制高校でも専門科目は主に登校して実践します
悪いイメージは古い!? 通信制高校はやりたいことを伸ばせる場所!

通信制高校の学校生活はどんな感じ?

通信制高校はオンライン学習メインの自主学習が基本とされていますが、実際には登校して対面での授業を受けることがメインの学校も数多くあります。どのような学校生活になるのか紹介していきます。

通信制高校は「単位制」で自分のペースで学習を進める

通信制高校の学習制度は「単位制」です。各学年ごとに修得すべき単位数が決まっている全日制高校の「学年制」とは異なり、3年間で卒業に必要な単位を修得していきます。1年ごとの学習計画は個別に立てるため、好きな科目を先に学習したり、苦手な科目は時間をかけて学習するなど、自分好みの学び方ができ、先生に相談しながら3年間の学習計画を立てることができます。

イラストやeスポーツなど、専門分野に特化したコースを設けた通信制高校では、独自の専門科目も単位認定されます。好きなこと・やりたいことを学びながら高校卒業資格の取得を目指せるのは、通信制高校の特徴であり魅力です。単位制についてより詳しくは、以下の記事をご覧ください。

> 通信制高校とは?全日制・定時制との違い、単位制と学年制の違いなどわかりやすく解説!

オンライン学習がメインの場合

オンライン学習がメインの通信制高校の場合、主にオンライン授業や、オンラインで提供される教材を読み、レポートを作成して提出し、教師の添削指導を通して理解を深めます。パソコンやタブレットなど使用し、場所や時間を選ばず、自分のペースで学習を進めることができます。

登校頻度は学校により様々ですが、オンライン学習がメインの場合は、登校は週1〜2回程度です。また、定期的な登校はなく、年に1回1週間など、一定期間の合宿で授業を受ける集中スクーリングを設けている通信制高校もあります。

登校日数が少ない場合は、同級生とコミュニケーションをとる機会が少なくなるというデメリットもありますが、通信制高校は一人ひとりに合わせたサポートが充実しています。学習面だけでなく、精神面、生活面についても相談しやすいサポート体制が整っていますので、不登校や学力不振の人なども、先生に相談しながら無理をせずに、自分のペースで学ぶことができます。

計画を立てて自主学習!
計画を立てて自主学習!

登校して対面での授業がメインの場合

登校して対面での授業を受けることがメインの通信制高校は、主に専門分野に特化したコースを設けた学校に多く見られます。技術実習で直接専門家の指導を受け、スキルを磨くためです。

全日制高校と同じように、同級生たちと授業を受ける機会が多いため、仲間との高校生活を楽しみたい人に向いています。対面での授業のため、すぐに先生に質問・相談しやすい環境もメリットと言えます。

なお、専門的な通信制高校も、普通科目においてはオンラインによる自主学習が導入されていることが多いため、計画的に自主学習を進めることは必要です。好きなこと・やりたいことである専門科目は登校して多くの時間を使いながら学び、普通科目はオンライン授業などを交えて短時間で効率よく学習することができます。

全日制と同じように同級生と一緒に学べる!
全日制と同じように同級生と一緒に学べる!

多種多様な仲間と出会える

専門分野に特化したコースを設けた通信制高校なら、例えばイラストやゲーム、ダンスなど、同じことが好きな生徒たちが集まっています。共通の趣味や目標があるためコミュニケーションが取りやすく、また、早いうちからやりたいことがあるため意識が高く、互いに切磋琢磨して成長することができます。

通信制高校は、不登校や中退をした生徒なども多いため、同じような悩みを持つ同級生と出会うこともできます。悩みを共有することで、自分だけではないという安心感につながります。また、通信制高校はそういった生徒のために、学習面だけでなく、人間関係などの不安をサポートする環境も整っていますので、自分が受け入れられている感覚を覚えることでしょう。自分自身も他者理解を深め、多様性を尊重する姿勢を育むことができます。 

共感し合える仲間に出会える!
共感し合える仲間に出会える!

以上のように、自分のペースを大切にした学校生活を送れるのが通信制高校の魅力です。自由な環境で学習でき、不登校や持病などで毎日登校ができない人にも、様々な選択肢が揃っています。自分の体力や気持ちに寄り添って、登校頻度の少ない学校を探したり、専門的なスキルや知識を学ぶための学校を探したりと、自分自身がポジティブに過ごせる場所を見つけましょう。

通信制高校は大学進学できる?将来はどうなる?卒業後の進路は?

大学進学が可能

冒頭で解説した通り、全日制高校と同様の「高校卒業資格」を取得できるため、大学進学が可能です。学校によっては、オンライン学習メインの自主学習になるので、自分で学習を管理して進める自主性は必要ですが、個人の努力次第で大学進学は十分に可能です。

また、大学の専門学科に進学したい場合にも、通信制高校は有利に働きます。通信制高校の専門分野に特化したコースなら、希望の大学で学ぶ分野と関連性の高いスキルや知識を身につけられるため、大学進学・大学受験の際に、高校3年間での学びが大いに役立ちます。

💬 通信制高校卒業後に東京工芸大学 芸術学部に入学した先輩の声
>【卒業生インタビュー:Kさん】作品と共に3年間の成長に迫る!(北海道芸術高等学校 東京池袋キャンパス マンガ・イラストコース編)

就職や専門学校など大学進学以外の進路を選び活躍している人も多い

専門的な教育を行っている学校も多い通信制高校は、進学・就職へのサポート体制が非常に整っていることが特徴です。業界とのつながりや採用情報などが充実しているため、全日制高校と比べて将来を具体的に考えやすい環境です。進学だけでなく、就職という道を選ぶこともできるため、進路の選択肢は非常に幅広いです。

専門分野を学びたい場合は、専門学校では2年しか学ぶことができませんが、通信制高校なら若いうちに3年間も学ぶことができます。最短18歳で夢を掴むことができるため、中学生・高校生の時点で好きなこと・やりたいことがある人にとって、通信制高校という選択肢は、夢への近道とも言えるでしょう。

💬 中学生の頃は不登校、通信制高校卒業後は大手アニメ制作会社に就職した先輩の声
>【卒業生インタビュー:Yさん】大手アニメ制作会社に18歳で入社!就職活動や仕事について教えて!

会社の同期はみんな大卒以上で、私は最年少!
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通信制高校は人生の終わりではなく始まりになる!そのために必要なことは?

ここまで読んでいただき、通信制高校が「人生終わり」「進学・就職に不利」という情報は間違っていることがわかっていただけたと思います。

通信制高校は、人生の終わりではなく始まりになります。自分の好きなこと・やりたいことが伸ばせる場所として進路を考えた際に、自分に合う通信制高校を探すことを考えてみてはいかがでしょうか。通信制高校を選び、夢に向かって進むために必要なポイントもお伝えしておきます。

興味のあることに積極的に取り組む

将来は何になりたいという目標が、はっきりとある必要はありません。興味のある分野を学んでいくことで、自分の目標や道筋は見えてきます。積極的に実習などに参加し、若さというタフさ、吸収力の高さを活かして、様々なことに挑戦してください。とくに、高校3年間でいち早く専門的なスキル・知識を身につければ、必ず将来に役立つ大きな武器となります。

自主性を身につける

通信制高校は単位制のため、自分のペースや、自分の得意不得意に合わせて学習を進められる反面、自主的に学習に取り組む習慣をつける努力が必要になります。希望する将来に向けて、専門科目の技術を身につけることのほか、高校卒業資格取得のために普通科目の学習も並行しなければなりません。自分の好きなこと・やりたいことに多くの時間を使って能力を伸ばせるよう、自ら学習の管理を行えるかが、あなたの未来を切り開くカギとなります。

興味のあることに全力疾走!
興味のあることに全力疾走!

令和の通信制高校は、全然「人生終わり」「進学・就職に不利」ではありません。自由な学習環境を活用して、自分らしい人生を送るための第一歩を踏み出してください。

おすすめの通信制高校「芸高グループ」

好きなこと・やりたいことがある人は、専門性に特化した芸術コースを設けている「芸高グループ」がおすすめです。コース別に同じ趣味や夢を持つ人が集まり、仲間意識の高い人間関係を築きながら、プロの指導を受け成長することができます。

芸高グループの学習環境・授業内容は、卒業後や将来を見据えた非常に実践的な内容で、好きなことで夢を掴んだ生徒も多く、学習面のほか、進学・就職の両方に対応した進路サポートも充実しています。

実際に芸高グループで学び、夢を掴んだ先輩の声

💬 中学生の頃は不登校、卒業後は憧れの人気声優養成所に入所
> 声優コースではどんなことが学べるの?授業について教えて!(愛知芸術高等専修学校編) オーディションや進路についても聞いてみた

💬 3年間で飛躍的に画力を伸ばし、卒業後はイラストレーターに
>【卒業生インタビュー:Kさん】3年間の作品成長と卒業後の進路に迫る!(愛知芸術高等専修学校 マンガ・イラストコース編)

💬 卒業後は前代未聞の18歳でスタイリストデビュー
> 美容師コースではどんなことが学べるの?授業について教えて!(横浜芸術高等専修学校編)

芸高グループの特徴である「芸術コース」

芸高グループでは各キャンパスごとに、専門性に特化した「芸術コース」を設けており、プロ仕様の充実の施設・設備のなか、現役のプロ講師の指導による実践授業を行なっています。

<コース一例> ※北海道芸術高等学校/札幌サテライトキャンパスの場合
マンガ・イラストコース
声優コース
ファッション・ビューティーコース
美容師コース
ミュージックコース
ダンス&ボーカルコース

専門的な技術・知識を学ぶため登校日は多めで、基本的には週5日のうち4日登校してコース別の芸術科目を中心に学び、うち1日は普通科目をオンラインで効率的に学び、好きなこと・やりたいことに多くの時間を使える学習スタイルとなっています。芸術科目の専門的な実習が多いぶん、確かなスキル・知識を身につけることができます。

芸高グループのキャンパス

芸高グループは、学校法人恭敬学園が運営する北海道芸術高等学校をはじめとする、以下5つの学校(6つのキャンパス)で構成されています。

<芸高グループ>
北海道芸術高等学校
 札幌サテライトキャンパス
 東京池袋サテライトキャンパス
福岡芸術高等学校
東北芸術高等専修学校
横浜芸術高等専修学校
愛知芸術高等専修学校

6つのキャンパスのうち3つに関しては高等専修学校ですが、北海道芸術高等学校(通信制高校)とのダブルスクール制度を採用することで、全日制と同様の高校卒業資格の取得も可能となっています。そのため、大学や専門学校への進学、養成所所属や就職まで、進路の選択肢も大きく広がっています。

好きなことだからがんばれる、一緒に歩んでくれる先生や仲間がいる。
芸高グループは、一人ひとりの個性や夢を応援してくれる場所です。

参照:北海道芸術高等学校 https://www.kyokei.ac.jp/

※本サイトは、芸高グループの生徒や先生にインタビューを行う機会をいただき、独自取材の記事で芸高グループを応援する個人運営サイトです。

> 生徒たちの様子がわかるInstagramはこちら

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