北芸の発表会“アートコレクション”を体感

北海道芸術高等学校 アートコレクションの様子

北海道芸術高等学校(通称“北芸”)では、全国に6校あるサテライトキャンパスごとに、アートコレクションといういわゆる生徒の発表会を毎年行っている。

生徒・保護者・これから受験を考えている方・生徒の母校の先生など、幅広い方が生徒の様子を見に来られる発表会である。
2,000人ほど収容できるホールが、毎年満員になる人気のイベントだ。

その発表会の成果を見れば、北芸の生徒たちが本校何を学んできたのか一目瞭然である。

2023年12月7日、私は札幌サテライトキャンパスのアートコレクションを実際に見学してきたので、
今回は、その時の様子や感じたことをご報告したい。

まず、アートコレクションの構成は、
・マンガ・イラスト
・声優
・ファッション・ビューティー
・美容師
・ミュージック
・ダンス
のコース別に生徒たちが発表を行うというものである。

声優コースの生徒はオリジナルストーリーを考えて劇をしたり、ダンスコースの生徒はチームごとにダンスを披露した。

生徒たちが独自で考えた形式で発表を行うため、生徒の自主的な運営だと聞いていたが、耳を疑うほどだった。
それほどのクオリティなのだ。現役の高校生が自主的にやるレベルではない。
まだ15、16歳の高校1年生もいるというからなおさら驚いた。
それほど発表会の完成度は高く、専門学校の卒業生レベルと遜色ないものであった。

そして何よりも、
私の高校時代(進学校)と比べると、どの生徒もやる気に満ち溢れており、自分の高校時代が恥ずかしくなるほど前向きな内容だった。

今年度の生徒会長さんが発表会の最後の挨拶でこんな話をしていた。

「わたしは、中学生時代、教室の隅っこで物静かにしているタイプの子でした。暗くて、友達ともなかなかうまくコミュニケーションが取れない生徒でした」と。

彼女は自分を変えたいという一心から、北海道芸術高等学校への入学希望し、そして、人前に立つ機会も多い生徒会長を引き受けたのだという。

そんな彼女が作ったリーダーとなって作り上げた発表会なのだから、生半可なものであるはずがないのだ。

いわゆる高校生の文化祭のようなものを想像していたが、彼女の、そして生徒たちの本気度が違った。
生徒たちの目の輝きは、私を熱い気持ちにさせてくれたのだ。

高校時代にこんな経験を積んでいるなら、彼らの卒業後の活躍にも自然と期待せずにはいられない。
そして、この学校の存在意義というのは非常に大きいのではないかと思った。

先行きの不安ばかりが案じられる日本の将来にもまだまだ希望があり、教育というものがいかに重要であるかを改めて感じる機会にもなった。

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